タロットカードのカップは、感情を表すとされています。素直な気持ちや愛などがあることを知る手がかりになります。また、水の要素を表すとされています。
他の小アルカナと同じように、ソードのカードは、エース(1)から10までと、ペイジ(騎士見習いの少年)、ナイト(騎士)、クイーン(女王)、キング(男王)の14枚で構成されていて、各カードにそれぞれの絵柄が描かれて、意味が込められています。
カップのエース(1)

正位置:幸せを目指して歩き始める、新たな気持ちでものごとをはじめる、愛がはじまる、友情が芽生える
逆位置:満たされない気持ちがある、やる気が起きない、成果が出るのはもう少し先になる、気をつかいすぎている、甘えすぎてしまっている
愛の始まりのカードです。右側から手がカップを手のひらの上に置いている絵柄が描かれています。雲から伸びている手は高次元の意識を表し、カップは天からの愛や贈り物(ギフト)を意味していますので、天からの贈り物を受け取ることを表しています。左は過去を、右は未来の方向を意味しますので、未来の始まりを表します。カップにはMを逆さにした文字があり、Mはヘブライ語で「メム:水」を意味し、水は感情を象徴します。カップから流れる水は5本あり、五感を表すともされていますし、命の水だとも言われています。その水は、潜在意識を表す下にたまった水にあふれています。その周囲の水滴はヘブライ語の「ヨッド」の形で、天からの恵みを表します。その水たまりには蓮の花や葉っぱが浮かんでいて、蓮は永遠の命や再生を表します。カップの上の十字マークが入ったパン(聖体:ホスチア)をくわえた白い鳩は、天からの贈り物を運ぶ聖霊で、純粋で無垢な心を表します。
カップの2

正位置:新しい関係がはじまる、気持ちが通じあっている、お互いの気持ちのバランスがとれている
逆位置:気持ちがすれちがっている、お互いの気持ちのバランスがとりにくくなっている、意見が合わない、良かれと思ってやったことが裏目に出る
いい関係のカードです。調和のカードでもあり、友人関係も恋愛関係も表します。二人の人物が手を取りあいながら、カップを持っている絵柄が描かれています。左側が月桂樹の冠(勝利や栄光の象徴)をかぶった女性で受容性を表し、左側が薔薇の冠(情熱の象徴)をかぶった男性で一歩踏み込んでいることからも能動性を表し、その調和がとれていることを表しています。その上には、2匹のヘビが巻きついていて翼がはえたライオンがあるヘルメスの杖(カドゥケウス)は、陰と陽など異なる2つのものが交わってより高い次元へ向かうことを表しますし、意思を伝えることも表しています。また、翼がはえたライオンは聖マルコ(イエス・キリストの生涯と教え「マルコによる福音書」を書いた聖人)を表すともされています。なお、翼があるライオンが聖人マルコを意味するようになったのは、迫害を避けるためにキリスト教徒にしかわからない表現に使っていたためだと言われています。背景の家は、将来この2人が暮らす家になるのかもしれませんが、遠くにあることから、この2人の関係がまだはじまったところであることを表しています。
カップの3

正位置:喜びをわかちあう、努力の成果をわかちあう、気が合う人と楽しい時間を過ごす
逆位置:やるべきことよりも楽しいことを優先してしまう、より良い関係になるのはもう少し先になる、周りとの距離を感じる
お祝いのカードです。3人の女性が、果物と野菜に囲まれて、カップを掲げて乾杯している様子が描かれています。収穫をみんなで祝っている絵柄になっています。カップは、愛や喜びを表しています。女性たちの服の色は違っていて、それぞれ違った考え方を持っている仲間たちと一緒に祝うことを表していますので、自分以外の誰かも含めて喜びを分かち合うという意味合いをもちます。果物と野菜は収穫を意味していて、努力が報われることを表しています。
カップの4

正位置:気持ちがのらない、見えてないことがある、気づいていないことがある(気づくと役立つことがある)
逆位置:何かに気づいて次のステップに進む、自分にあうものに出会うチャンスがある、これまで苦手だったことの良い面に気づく
現状に不満があるカードです。木の下で3つのカップを眺めて腕を組んで考えている様子の男性が描かれています。その左側の空間から手が伸びていてカップを差し伸べていますが、男性はそのカップに気づいていないようです。男性は、その様子から、左側(過去)に置かれたカップが3つ(過去の体験が)あるけれども、それに納得いっていないことを表しています。ですが、その上の空間から手が差し出しているカップは、過去の経験から高次元の意識が他の可能性があることを伝えようとしていることを表します。差し出しされているカップに気づくことができれば、つまり、忘れている過去の記憶を思い出したり、別の可能性があることに気づけば、道が開かれる可能性あることを表しています。
カップの5

正位置:失ったものにとらわれている(まだ残されているものがある)、理想にとらわれている
逆位置:喪失感を乗りこえる、失ったものにとらわれない、行きづまりが解消する
何かを失ったカードです。黒いマントの人物が背を向けて、こぼれた3つのカップを見つめていて、その背後に2つのカップが残っている様子が描かれています。人物は背を向けていて現実や社会と向き合えないことを表しています。また、左側(過去)を向いていることから過去にとらわれていることを表します。黒いマントは、黒色が絶望や限界を意味し、マントが身を隠すものを意味しますので、失望し内面に閉じこもることを表します。倒れたカップ(感情)からは熱意を意味する赤色の水や欲望を意味する緑色の水がこぼれていて、熱意や欲望などの感情を抱いていたことが失われてしまったことを表しています。ですが、背後にはまだ2つのカップが残されていて、全てを失ったわけではないことを表しています。背景の城は目的や理想を表していて、川があって渡れないと思うかもしれんが、城に行くための橋が架かっていますので、道が閉ざされてはいないことを表します。川の水も、こぼしたカップの水以上の水が将来手に入る可能性があることを意味しています。失くしたものにとらわれていますが、まだ残されたものはあるし、この先に失くしたもの以上のものを手に入れる可能性があることを表しています。
カップの6

正位置:素直な気持ちになる、昔を振り返ってたいせつな気持ちを思い出す、初心に返る、うれしい知らせがくる
逆位置:過去を引きずってしまっている、過去にとらわれてしまっている、子どもっぽくなってしまっている、優しさに甘えすぎている
素直になるカードです。いい思い出を思い出すカードでもあります。二人の子どもがいて、花が植わったカップを渡している絵柄が描かれています。カップに植わった花は白い百合の花で、純粋さを表します。その百合の花を渡していますので、純粋な気持ちを伝えることを表しています。背景には、屋根が古びたような田舎の家が描かれていて、どこか懐かしい感覚を受けます。家や塔、地面などは黄色で、幸せな状態を表しています。
カップの7

正位置:理想にひたって迷っている、高望みしている
逆位置:自分の気持ちにあったものを見つける、チャンスが増える
理想や空想に浸っているカードです。7つのカップが雲の上に浮かんでいて、黒色の人物がそれを見ている様子が描かれています。7つのカップにはそれぞれ、お城(権力)、宝石(富)、月桂冠(栄光)、竜(力)、蛇(知恵)、布を被った人(徳、聖)、人物の顔(パートナー、恋愛)が乗っています。これらのカップは雲に浮かんでいますので幻想であることを表しています。また、黒い人物のシルエットは、黒色が行き詰まりや警告を意味しますので、本来の自分や現実を見失っている状態を表します。いろいろな欲望から幻想に浸ってしまっていることを警告しているカードです。
カップの8

正位置:未練があるがいまの場所から離れてちがう場所に向かう、こだわっていたことを手放して次のステップに進む
逆位置:あきらめかけていたものを手に入れるチャンスがくる、新しいことに出会う
卒業のカード、レベルアップのカードです。移動を表すカードでもあります。まだ心残りはあるかもしれませんが、その気持ちを振り切って新しい場所へと旅立っていく様子が描かれています。手前にカップが8個積み上げられていますが、そのカップに背を向けて旅立っていく人物がいます。8個のカップは、これまで積み上げてきたたいせつなものを表します。そして、カップに背を向けて旅立っていく人物は、今まで積み上げてきたたいせつなものを手放して新たなことをしたり、新しい場所に行くことを表しています。その人物の服は赤色で、熱意があることを表しています。月は、その形を変えていくことから、心境の変化を表します。背景の険しい山は、試練や修行、より高い目標を表しています。
カップの9

正位置:願いがかなう、満足することがある、十分に得ることができる
逆位置:現状に満足しすぎている(もっと上を目指せる)、うぬぼれてしまっている
望みが叶うことを表すカードです。ウィッシュ(wish:願望)・カードとも呼ばれています。背後に9個のカップを並べて、その前に満足げに腕を組んで座っている人物が描かれています。人物の様子は、精神的にも物質的にも満足していることを表し、その服の色も、赤色の帽子が男性性、白色の服が女性性を意味していて、調和がとれていることを表しています。背景は黄色で明るく、希望があることを表します。また、水色のテーブルクロスは精神性を意味しますので、精神的に満たされた状態であることを表しています。このカードの幸福は、思いもよらない幸福がふいにやってくる意味合いが強いとされています。
カップの10

正位置:幸せを感じる、安全な場所にたどり着く、ぴったりくる人とめぐりあえる、家族など親しい人と幸せな時間を過ごす
逆位置:幸せを感じるにはしばらく時間がかかる、周りと距離を感じる、すれちがいが起きる
幸せな日常がやってくるカード、幸せな家族のカードです。空には大きな虹が架かっていて、虹は希望や幸せを表しています。その下には、手で空を仰いでいる男女がいて、同じポーズをとっていることから調和を表し、これまでの苦労や努力が実を結んで愛と幸せがある生活を手に入れたことを表しています。その横には両手をとって踊る2人の子どもたちがいて、純粋無垢な喜びを表します。その向こうには家があり、心から安心できる場所があることを表しています。
カップのペイジ

正位置:アイデアがひらめく、周りから愛される、ユニークな人、純粋な人
逆位置:現実逃避してしまう、感情に身をまかせてしまう、わがままな人にふりまわされる、感情的に未熟な人
愛される人物のカードです。よい発想やインスピレーションを表すカードでもありますし、遊び心を表すこともあります。カップを持ったペイジ(騎士見習い)が描かれていて、そのカップから魚が顔をのぞかせています。カップから顔をのぞかせている魚は、水が感情や感受性、潜在意識を表し、魚はそこから出てきている価値があるものを意味しますので、いいアイデアやユニークな発想が出ることを表しています。また、ペイジは微笑んでいて、素直に楽しんでいる状態を表します。また、ペイジの服は睡蓮の柄で、純真で清らかな心を表しています。背景の波はなめらかに波だっていて、水は感情や潜在意識を意味しますので、ワクワクした気持ちや希望に胸を躍らせていることを表します。
カップのナイト

正位置:気がかりだったことがゆっくりと前進する、相手を思いやる、愛情ある知らせがくる、優しい人、礼儀正しい人
逆位置:周りに流されやすくなってしまう、誠実さが足りない人に振りまわされる
愛の知らせがやってくるカードです。白馬に乗った騎士が、争いを防ぐための話し合いの成果であるカップを持ってゆったりと故国へと進んでいる様子が描かれています。騎士の兜と靴には翼がついていて、伝令や伝達を表しています。ギリシャ神話でよい知らせを届けるヘルメス神を表すともされています。騎士の服の模様は魚で、キリスト教では神聖さを表します。白馬は、戦争用の馬ではなく、馬術用の馬とされ、争いには行かないことを表しています。また、騎士と白馬の進行方向は右で、未来へ向かっていることを表します。背景の川は、国境を表し、たゆたうような水の流れは穏やかな感情や潜在意識の状態を表します。険しい山は、理想の高さを表しています。
カップのクイーン

正位置:満ち足りた気持ちになる、感受性が高まる、愛情深い人、包容力がある人、慈悲の心
逆位置:心を閉ざしてしまう、ひとりになりたくなる、気持ちが揺らぎやすくなる、助けが得られにくい、おせっかいな人に振りまわされる
深い愛情のカードです。大きなカップを持った女王が、玉座に座っている様子が描かれています。その大きなカップは、愛情や包容力の大きさを表しています。女王はそのカップを眺めていて、どうすればこの世をもっと愛で満たせるかを考えています。女王のドレスは水と同化していて、大地とも接していることから、感情や潜在意識が自己と統合されて、現実とつながっていることを表します。また、玉座には子どもの人魚や貝、魚といった水のエレメンタルに属するモチーフが彫られていて、愛情や受容を表しています。
カップのキング

正位置:心が広い、安心感がある、気持ちに余裕がある、常識にとらわれない自由な発想で成功する、包容力のある人、わかってくれる人
逆位置:人にあわせすぎてしまう、態度がコロコロ変わってしまう、気持ちの浮き沈みが激しくなる、浮き沈みが激しい人、感情的な人
広い心のカード、寛大さのカードです。また、そうした人物を表す場合もあります。水に浮かぶ玉座に王が座っていて、背景には魚や船が描かれています。王のカップは大きく、心が広いことを表しています。また、王が持つ短い笏(しゃく)は、権威を表しています。魚のペンダントをつけていて、潜在意識を現実のものとして身につけられていることを表します。水面は波だっていますが、玉座は揺るがすしっかりとしていますので、優しさや喜びなどの肯定的な感情だけではなく、あらゆる感情を受けとめても心が安定している状態を表します。背景の魚や船も、荒波をものともしていない様子で、さまざまな感情にあっても、ものともせず、情熱をもって進むことができることを表しています。心の底に色んな感情があっても、それを意識しつつしっかりと安定して、心を広くもつことができていることを表します。
